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「俺、先輩が好きです!!」 卒業式の日。 光くんに体育館の裏に呼び出された私は、急に手を握られそう言われた。 少しあどけなさが残る顔。 それでも、力強い視線に胸がときめいた。 『嬉しい』 それが私の正直な気持ち。 出来ることなら、『私も好き。』と、胸に飛び込んでしまいたかった。 でも……ダメ。 そうしたら、この関係が崩れてしまう。 私は怖かった。 関係の変化を望むよりも、 このままの、心地いい関係を続けたかった。 だから……
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