Season

―３―

一粒、私の瞳から涙が流れ落ちた。

瞬間…

「すみませんっ」

そんな謝罪と共に突然離れた腕。

驚いて見上げると、申しわけなさそうに顔をしかめる光くんがいて…。

意味が分からなかった。

でも…

「…いや、でしたよね。」

その一言で理解する。

私にとって、この涙は『好き』という気持ちの現れ。

でも、光くんは『拒絶』の涙と取ったんだ……。

「…ちがっ!!」

「いいんです。気を使わなくても…。」

力なく笑った彼はもう完璧に拒絶されたと思っている。