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なんで……? なんで光くんがここに……? プチパニックを起こす私とは正反対に 「まだ寝てなきゃダメですよ。」 落ち着いた様子の光くんが、私をベッドに押し戻す。 そして 「先生。」 と、光くんがカーテンの向こうに声を掛けると 「あらあら、佐倉さん起きたのね?気分はどう?」 保健師のみっちゃんが元々あるシワをもっと深め、心配そうな表情で覗き込んできた。 「えと、頭がクラクラするけど…随分楽になりました。」 「あらそう?でも無理はしちゃダメよ?ゆっくり休んで行きなさいねぇ。」 「はぁい…。」 「一年の…森本くんだったかしら?悪いわねぇ。あとよろしくねぇ。」 「はい。」 シャッとまたカーテンをしっかり閉め、みっちゃんがパタパタ保健室を出て行く音がした。
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