§第零章§

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そして、少年が帰って来たのはこの世界に6つある国の一つで最も巨大な<ミズガルズ>という国の王宮だった。 転移して来た少年は王宮の長い廊下を進み正面に5メートルはあるであろう扉が見えてきた。 そして少年は頑丈で重そうな扉を開け放ちそのまま片膝をつき頭を下げた。 「姉さん、ただいま戻りました。」 広い部屋いっぱいに響き渡るような声で少年が言った。 部屋の中はとても広く天井にはシャンデリアが吊されている。 そして、少年を迎えたのは部屋の隅で本を読んでいた女性だった。 女性は本を直して少年に向かって言った。 「おかえりレン。それからここでは姉さんは禁止でしょ」 人差し指を口に当て少年と目線が同じになるようにしゃがみながら言ったのはここ<ミズガルズ>の第50代目王女であるレイラ=エインヘリアルである。
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