§第零章§

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「すみません。姫様」 顔をシュンとさせて謝っているのは弟であり、わずか10歳という歳にも関わらずITSの零番隊隊長<帝の舞仔>の二つ名で畏れられているレン=エインヘリアルである。 「でも今日ぐらいは許しましょう。だって……」 不気味な笑みを見せながら隠していたナイフを出しレンに切りつけて来た。 レンは瞬時にそれをバックステップでかわした。 だが、ナイフはレンの右頬をかすめていた。 「姉さん、これはどういう事ですか!? それに今なんて!?」 驚きを隠せないレンに対しレイラは不気味に微笑んだ。 「流石ね。噂通りという所かしら…でも耳の方は悪いのかしら… ならもう一度言ってあげるわ。 『だって今日があなたの最期の日になるのだから』と言ったのよ。」 そのままレイラは右手をレンの方に向けてきた。 その瞬間レンはなにかに押し潰されるような感覚に襲われた。
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