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━━━俺は今までの恋を取り戻すかのように、奈々に恋した。
あいつが待ち合わせに遅れると、スゲー心配になったり、あいつの悲しい顔を見る度、何かしたんじゃないかと焦ったり、あいつの喜ぶ顔を見ると、ずーっと独占してぇと思ったり……
周りの奴らが
『最近の健なんかキラキラしてんなぁ~』とか、
『お前一生懸命だなぁー』とか
『今までの奴らと何が違うんだ?
女なんて……お前にとっちぁ只の、暇つぶしの玩具だったんだろ?』
━━そうだ……。
『今までは』そうだった。
だけど、『今は』違う……。
「俺は、作ってきた俺を見透かしてる瞳(め)に出逢ったんだ……
今まで誰も見て来なかった俺を……
あいつは……奈々は、いつでも見てくれる。
あいつの瞳に、俺をずっと映していて欲しいんだ……
なんかカッコ悪いだろ?こんな、無我夢中になって……」
そう。一生懸命というより、俺は奈々に『無我夢中』だった。
だってこんなにも
『あいしている』んだから……━━━
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