‐鎖‐

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土『関係ねーよ…』 皆が悲月の雰囲気に圧倒されている中 土方が小さく口を開いた 土『…てめェらの仲間がどんだけイかれた眼ェしてようが…どんだけ万事屋に執着してようが関係ねェ。あいつには借りがある…居なくなられちゃ困るんでね』 風に揺れる前髪の隙間から 微かに見える漆黒の瞳 土『そこをどけ…どかねェなら叩ッ斬るだけだ!!』 目の前の敵に向けられた刀は 沈みはじめた夕日に染まり 紅い輝きを放つ 土方の声につられ 神楽も負けずに叫んだ 神『そうアル!!お前らどかないと…あの……あれ…デコピン10回な!!!』 ヒュッヒュッ とデコピンで空を打つ神楽 新『それ地味に嫌だ!!』 新八がすかさずつっこむ 沖『そうでィ!!てめェらどかねーと…あの……あれ…デコピン20回な!!!』 新『増えたァァァァ!!!』 近『…まっとりあえず、どかねーとひどいことになるぞ?』 近藤はニカッと笑い 華月の言葉を待った 華『…返事は変わらん。悲月の邪魔をすることは許さねェ。貴様等の魂…ここで朽ちてもらおう』 その言葉に感情などなかった ただ思うがままに 冷たく言い放つ そして土方達を見下すように 華月は刀を引き抜いた 土『仕方ねェ…』 土方の言葉と同時に 神楽は傘を 新八は木刀を 近藤と沖田は刀を それぞれ構えた 沖『後悔しても知らねーぜ…?』 そう言って ペロリと唇を舐める沖田 破『…後悔すんのはどっちだろうなァ』 クスクスと笑う破月を横目に 武月はボキボキと指から 鈍い音を鳴らした 武『………』 破『…気を抜くなよ』 武月のごつい肩を強く掴みながら 破月が真顔になる そして 土方は銀時に向かい叫んだ 土『…おい万事屋!!いつまでへたれてんだてめェは!!』 その言葉聞き 銀時が苦しそうに土方へと目を向ける 土『腹一発殴られたくらいでへこたれてんじゃねーよ!!てめェの力はそんなもんか?あ゛ァ!?』 喧嘩相手の意外な言葉に驚いた あいつ… 木刀を握り直す 銀『…うっせ、ェよ…ハゲ……』 ゆっくりと立ち上がる銀時 その様子を見て土方は 土『…ハゲてねーよ』 と呟き 刀を構えた †
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