‐鎖‐

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新『うわッ…ゲホケホ…』 砂煙が巻き起こる 先ほどの一撃が 相当な強さだったことを物語った しかし 如『ふーん』 神『……ッ!!』 煙の中心に 神楽の傘を片手で握る如月がいた 余裕の笑みを浮かべこちらを見つめてくる如月に、神楽はゴクリと唾を飲み込む 如『なーんだ。夜兎の力もその程度ってわけね』 神『…お前……』 如『チャイナちゃんて夜兎なんだろ?悲月達は気づいてるか知らないけど、俺はすぐ分かったぜ』 傘を握り締めたまま 神楽を嘲笑うかのようにクスリと笑う 新『あ、あいつ…神楽ちゃんの一撃を…』 片手で受け止めた… その光景を新八は唖然として見つめていた 神楽ちゃんの強さは 吉原の死闘のうえでよく分かっている それを考えると 先ほどの一撃は相当なものだった筈だ それを片手で受け止めるなんて… その時 【…どさッ】 という鈍い音が聞こえた 新八が音の方へ目を向けると 沖田が倒れこんでいる 新『沖田さん!!』 慌てて駆け寄る新八 沖『ただのかすり傷でさァ。退がってた方が身のためだぜィ』 先ほどの神楽と同じことを言い ゆっくりと額の汗を拭う そして刀を杖にし立ち上がった 視線の先には こちらにゆっくりと近づいて来る 岩のような男 沖『…こいつァ一筋縄ではいかねーな』 沖田は両手の刀を握り直し 武月に向かい走り出した 新『沖田さん!!』 ジャンプと同時に斬りかかったが その刀をがしりと掴まれてしまう 沖『ちっ!!』 すかさず左の刀を振り上げるが 武月の手首についた 鉄の輪によって弾かれてしまい 思うように剣を振るうことができない 沖田が静かに焦るなか その攻撃を防ぎつつ武月が動いた 【どかッ!】 沖『…ぐぁッ!!!』 沖田の脇腹を強い衝撃が襲う †
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