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銀『…ッぐ………』
歪む視界
力が抜けていき指先から伝わってくる強い痺れ
身体が地へと堕ちていく
霞む視界の中銀時が目にしたものは、空の注射器を手に持ちこちらをニヤリと見下ろす
華月の姿だった
【…どさッ】
強い衝撃が走り
土の冷たい感触が頬に触れる
神『銀ちゃん!!!』
新『銀さん!!!』
新八と神楽の声が遠くで聞こえた気がした
身体が動かねェ…
意識を…もっていかれたら終ェだ…
唇を必死に噛みしめる
華『どうだ?苦しいか?』
ゆっくりと顔を上げれば、こちらを見下ろし笑みを浮かべる華月がいた
銀『…て…めェ………』
華『ククク…貴様はすぐに周りが見えなくなるみたいだな。冷静さを失うと碌な事がないぞ』
銀『…ッ何…を……』
華『このままじゃこっちがやられかねないんでね。最終手段を使わせてもらった』
そう言ってわざとらしく
手に持つ注射器を俺に見せつけてくる
腹立つやろうだ
銀『……最…終手段…だと…?…ッう……』
華『…キツイだろ?お前は少し眠っているがいいさ。安心しろ。目が覚めるころにはすべて片付いている…ククク…お前はもう…我等のものだ』
銀『…ふざ…け…んじゃ…ねェ…ッ俺…は…………』
握り締めていた拳が緩む
そのまま目の前が序々に暗くなり、最後までその言葉が続くことなく
俺の意識は深い闇へと消えていった
†
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