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「ここに落ちれば一瞬で死ねるだろう。これで誰にも迷惑がかからない……。」
立ち止まりながら、リレスは底が見えない崖に到着し、手についた血を見ながら微かに呟いた。
だが、次の瞬間
リレスの行動は遮られることになる。ある一人の少女の悲鳴によって……
「来るな!」
その一言は、リレスの耳に一直線に飛んでくるかのように響いた。
まるで、自分にしか少女の悲鳴が聞こえない。そう思ってしまう程だった。
リレスは、武人ウォーカー家の血を継いでいるだけあって
放っておく事など出来ずに、一歩一歩……また一歩と悲鳴がした方に歩き始めたのである。
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