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それは昨日の放課後のことである。
「……無いんだ」
無視した。私は忙しかった。
「ないっ! ナイっ! 無いぃぃぃぃ――――っ!」
また始まった。よくある事だ。
「うあああああぁぁぁっ!」
はふぅぅぅ。大きなため息。仕方ない。どうしたのか聞いてあげよう。
この状態を誰かに見られると怪しい2人組だと思われてしまう。アヤシイのは叫んでいるセンセだけで、私はいたって普通なのであるが。
「あああああぁぁぁ」
長い髪の毛を振り乱してる様はまるでメデューサである。
まあ、今は幸いなことに教室には私達しか残っていない。
「……センセ。なにが、いったい、どうしたの?」
くるぅり。漫画だったらたぶんこんな効果音が入るであろう……私の方を見た。
そしてトドメに一言。
「無い」
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