火曜日 午後4時00分

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それは昨日の放課後のことである。 「……無いんだ」 無視した。私は忙しかった。 「ないっ! ナイっ! 無いぃぃぃぃ――――っ!」 また始まった。よくある事だ。 「うあああああぁぁぁっ!」 はふぅぅぅ。大きなため息。仕方ない。どうしたのか聞いてあげよう。 この状態を誰かに見られると怪しい2人組だと思われてしまう。アヤシイのは叫んでいるセンセだけで、私はいたって普通なのであるが。 「あああああぁぁぁ」 長い髪の毛を振り乱してる様はまるでメデューサである。 まあ、今は幸いなことに教室には私達しか残っていない。 「……センセ。なにが、いったい、どうしたの?」 くるぅり。漫画だったらたぶんこんな効果音が入るであろう……私の方を見た。 そしてトドメに一言。 「無い」
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