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「実はさっきから気になってるんですが、センセの胸ポケットにあるのは何でしょう?」
「何って……」
センセは胸ポケットから万年筆を取り出して、う~んと考え込んだ。
「……万年筆じゃないのか?」
万年筆を手の中でくるくると回転させながら、のほほーんと聞いてくる。
馬鹿らしいと分かっているのだが、ここまで来ると私もムキになってついつい大きい声になる。
「――だからっ、センセが探していたのは?」
これじゃまるで健忘症の患者相手に喋っているみたいだ。
「……万年筆。おぉっ! 見つかった」
こういう事を、本人がクソ真面目にやっているのだから始末が悪い。
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