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母が死んだ。
小学4年生のこと。
私は、感じていたのに、知らないふりをしていた自分を悔やんだ。
いつもの学校の帰り道、友達と別れたあと、嫌な予感がしていた。
『誰かが─…死ぬ。』
まさか、母が死ぬなんて、思わなかったから…遠い親戚とかだろうと思っていたから。
悔やんだ。
悲しさより、悔しさが込み上げた。
わかっていたのに…って。
そんなことを、ぼうっと考えていたとき。
「能力(ちから)があるのね…」
女の人の声がした。
「能力(ちから)があるのに、使わないのは─罪よ」
「…“罪”?」
そのまま、その女の人は消えてしまった。
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