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今日の夕飯はなんだろう。
拓真は、この1ヶ月近く、助手の優子の家へ飯をたかりに…もとい、ご馳走になりに行っていた。
ちなみに今は、事務所で優子の手作り弁当を頂いている最中だ。
昼飯代は浮くし、美味いし、でいいことづくめな毎日。おまけに優子も嫌がらないところが、嬉しい。
と、ケータイ音が鳴っている。優子のものらしい。
「克己兄ちゃん?どうしたの?」
驚く優子の声に、拓真は
克己を思い浮かべた。
ホストクラブの経営者兼No.1だった。その職業上、昼間は寝ているはずなのだが。
「え?今から?もちろん構わないけど…。うん、判った。所長に言って待ってるね。」
優子は電話を切ると、拓真の机にやってきた。
「克己兄ちゃんが、依頼人を連れて来るそうです。」
「仕事、だな。」
「はい。」
拓真は了承して優子は依頼人を迎える準備を始めた。
拓真の要望で、メガネも外し、服も地味なスーツから動きやすいジーンズになった優子のてきぱきとした姿を見るのは、実に気持ちいい。
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