5月16日

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「話を聞きましょう。」 拓真は咳払いして稔を見た。 「実は、俺宛てにこんな紙が入っていたんです。」 稔が取り出したのは、郵便で来た手紙だった。 宛名は本名。住所も合っているのなら、稔と相当親しい間柄…少なくとも、ホストクラブの客ではないことは確かだ。 拝見します、と断って手袋をつけてから手紙を受けとる。なんのへんてつもない封筒と便箋。 指紋をつけないように、手袋をしたのだが、どれほど意味があるかは、判らない。それはともかく。 便箋は数字とアルファベットが混同したものが、一枚と、同じ便箋に、ヒントと書かれた紙があるだけだった。 「なんだ、これは。」 それが拓真の正直な気持ちだった。
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