第一章

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「あーだりぃな」 春の穏やかな日差しが俺に降り注ぐが… 「…だりぃ明日から学校かよ」 今日は四月六日、いわゆる高校の入学式があった。が、小中高一貫教育の学校にとっては、なんの意味もない形式的なものだ。 「まぁ、午前で終わったから楽でいいよな~、よし、午後から遊びに行くか」 と、言って、隣を向くと、 「兄さん、今日は親戚回りだよ。兄さんも一緒に行ってお祝い金をもらわないと」 柔和な顔付きで糸目な男が並び歩いていた。 「え~、ま、金もらえるなりいいけど…お前いれば十分じゃないか?同じく入学だし」
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