はじまり―――…

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  強く握った拳を、ぶつける。 ドンッ! 俺を囲む幾人の人物に。 ズォ! ぶつけて、ぶつけて、ぶつける。 バキッ! 右の拳を、左の拳を。 ガッ! 襲いかかる "敵" の、 顔面に、顎に、腹に、胸に。 ギッ! 敵の拳が、俺の顔面を目掛けて飛んで来る。 俺はそれをみて、上半身を捻り、敵の拳の軌道から外れた。 そして、その拳が、俺の顔面の横を通り過ぎていったとき、俺は その敵の顔を、グーで殴る。 そして、敵は 崩れる。 「他愛もない…」 俺がそう呟いたときには、もう立っている人が俺以外いなかった。 「… スキンおじさんがいねぇ。 にげた、か。 まぁ、いいや。 疲れた。」 俺の周りには、地面に突っ伏した、約20人の男たち。 しかし、その中に、先程のスキンおじさんの姿はなかった。 逃げられても な~んにも問題がないので 放っておく。むしろ 逃げてもらえると ムダにやりあわないで済むから 助かる。 しっかし…なんだか、精神的にも疲れてしまった。 「はぁ。帰って ゆっくり お茶でも飲もう…」 俺はトボトボと歩き、精神的に やつれきった 自分の体を、愛車チャリ(ギアなし)に乗せ、帰路に就くことにした。 ら、 「すいませーん。  ちょっと良いですかー?」 紺色の制服を着た 大人に 止められました。  
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