はじまり―――…

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  そんなに強く殴ってないから、たぶん、起き上がる。 「ま、まだだ…坊っちゃん、なかなかやりおるなぁ~」 そう言いながら、おっちゃんは立ち上がり、構え直した。 静かな空き地に風が抜ける… 睨み合ったまま動かない二人… おっちゃん、でけぇな。 自分の2倍近くあるんだよな。 生活しづらいだろうな。 服とかも特注なのかな。 そうなると、金かかるだろうな。 あ、今日は夕飯、なに食べよっかな。 そういえば冷蔵庫に隣の坂本さんからもらった高級ベーコンがあったな。 そんな事を考えていたら、その巨体が大きく揺れ、揺れたかと思ったら、目の前に それはもう大きな大きな足の裏があって。 いわゆる、蹴り。 大きな蹴りが 俺の小さな顔面を しっかりと捉えた。 ドン。  
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