Knight Blue

PHASE─1 『スティンガー』

　そんな『Ｍ・Ｇ』と、高速戦闘を行う戦闘機のパッケージは、ラキシス大尉の手によりようやく前進したと言えた。

｢スカイナイツ1(ワン)、これより帰還する｣

｢同じくスカイナイツ2(ツー)帰還します｣

　二機のＭ・Ｇから通信が入ると、蒼い腰までのロングヘアに赤い瞳を持つ端正な顔立ちの艦長『リヴィエラ＝ロイ＝クラウン』は一つ息を吐いて口を開く。

｢帰還了解。左右カタパルトに着艦するよう｣

｢了解｣

｢了解｣

　それだけ応答すると、通信は完了した。

｢ニナン軍曹、着艦用意よろしくね｣

｢ハイ！｣

　金髪(ブロンド)をセミロングにした眼鏡の若い女性オペレーター『ニナン＝コレット』が了解すると、リヴィエラは安堵のように小さく息を吐いて、隣のシートに腰掛ける男性に顔を向けた。

｢ザードル少将……これよりブルー・スカイナイツ隊、帰投します。よろしいですね？｣

｢あぁ……了解した。今日はラキシス大尉の祝賀会だな？｣

　ニコやかに、だが、どこか皮肉の混ざる物言いに、リヴィエラもクランツも苦笑する。
　この時、少将──『ウェゼン＝ザードル』が、モノクルの奥に秘めた瞳の深い色に気付けた者は、誰一人としていなかった……

　ブルーナディアのハンガーデッキ──
　少々長い黒髪を、首の後ろで一つ束ねた、歳を言うなら二十代前半の世間で言う所の中々のイケメン、スカイナイツ2──『ユウキ＝サギミヤ』少尉は、戦闘機形態のＭ・Ｇのコックピットから這い出ると、機体を整備に任せて一息吐いた。
　その視界に、長い金髪を携えた、これまたイケメン渋系の男性──『スカイナイツ1』こと『クリス＝セブン＝ウィリード』中尉が入ると、ユウキは小走りに駆けよって敬礼する。