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「隊長、お疲れ様です」
「うむ」
クリスは敬礼を返すと、僅かに表情を緩めた。
「ご苦労だった。後は身体検査だが、それが終わったらゆっくり休むと良い」
「はっ!ありがとうございます」
「とまぁ、固いのはここまでだ。ホラ、お迎えが来てるぞ」
「え?」
言われてクリスの視線の先に顔を向ければ、こっちに手を振る少女が眼に入る。
長く赤い髪を、横っちょにポニーテールで結った、まだまだ幼さを残す顔立ちの美少女。
少女とは言っても、纏っているのは女性士官用の軍服だったりする事から、子供ではないのだと認識せざるをえない。
『アスカ=リィネ=ラキシス』少尉19歳。
くだんの『ラキシス』大尉の娘で、士官学校を主席で卒業した秀才。
M・Gの研究・開発部門に所属し、父クランツの助手を務めている。
因みにユウキとは幼馴染み。
ユウキは、一つ溜め息を吐いた。
「隊長……お迎えって」
ジト眼向けるユウキに、クリスは不敵な笑みを浮かべつつ、ポンと肩を叩く。
「まぁそう照れるな。羨ましいじゃないか?幼馴染みの彼女なんて」
「……そう言う隊長だってリヴィエラ艦長と」
「ハッハッハ!じゃあ後でな」
「聞けよ!」
顔立ちにマッチしない豪快な笑い振り撒きながら、クリスは去っていったのだった。
「ああ言うトコがイケメンのくせにおっさんクサ……」
「ユっウキ!」
溜め息吐いて肩をゲンナリと落とすユウキのもとに、アスカがちょこんと到着する。
「おまいな……職場にいる時ゃ、気安く」
「別にいいじゃない?隊の皆はもう知ってるんだから」
「そう言う問題ぢゃねぇっての」
はぁあぁぁ……と、本日幾度目かの溜め息一つ。
そう。
二人の関係は、もうとっくにブルー・スカイナイツ隊内には知れ渡っている、いわゆる公認カップルだったりする。
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