始まりの夜

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…………なんて事だ。 これでは最悪ではないか…… 運命はこの赤ん坊に一生の重荷を背負わせた。そのせいで周りから恐れられ疎外され、絶望し、堕落の道を堕ちて行くしかないか…… ………この事は絶対に公にしてはならない。 そして……… 私に出来る最大限の事を……。 「己の魔力に身を砕かれぬよう守護壁を張る」 たった15年程度しか持たない殺那的守護魔法── 15歳のある時、突然に守護は消え失せる。 その後どうなるかは私にも分からない。 だがせめて一時の約束された生活を………。 しかしこの魔法は人間である私には生涯に一度しか使えない。 だがこの子に生きて欲しいとある種の意地がある。 覚悟は決めた 後悔はしない…… 「我が遠き先祖フロウライト・グランベイトよ………一族の末裔カイク・グランベイトに力を貸してください」 目を閉じ偉大なる先祖に願う 私の手の平にまばゆい光が集まる その光は全てを包み込むような絶対的な美しさがあった。 その光を子供にかざす。 ──魔力を解放した。 漆黒の夜は一時の極光に包まれ、運命は動き始めた。
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