227人が本棚に入れています
本棚に追加
この葬儀の依頼、仏さんは若い男性、俺と同じぐらいでした。
まだ、子供が、産まれたばかりでした。
会社帰り、徒歩で帰宅中に車で、ひかれての事故死。
顔には傷が少なく、綺麗なぐらいでした。
葬儀の打ち合わせ中、加害者の家族が謝罪と、お参りに来ました。
半狂乱になりながら謝罪する加害者の家族。
しかし、被害者側の両親は、とても優しくて
その家族が帰る時にはタクシーを呼んであげました。
お宅さん達、車で来たんか?
そんな状態じゃ、運転して帰れないだろ?
タクシー、呼んであげるから乗って帰りな?
車は置いてって良いから。
お宅さん達、帰りに事故でも起こされたら、息子も浮かばれないよ。
こんな時にも、相手を気づかう優しさを持ち合わせているお父さんでした。
そして、加害者側の家族が帰った直後、
一つの宅急便が届きました。
中身は、
赤ちゃん用の布団。
故人様が、最後の休日にデパートで買ったモノでした。
新しい父親が、初めての子供に贈る、最期の贈り物。
その場の皆が泣いた。
夢と想いの詰まった、
最期の贈り物となりました。
最初のコメントを投稿しよう!