虹になった少年。

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その男の子は、幼稚園の年中さんぐらいの男の子でした。 その男の子はクレヨンで絵を描くのが好きで、暇さえあれば、いつもお絵かきをしていました。 少年の絵には、いつも虹が描かれていました。 その少年は、ある日、病魔に倒れ、その短くも儚い人生は幕を閉じてしまいました。 お父さんと、お母さんは少年の眠る柩に、少年の好きなクレヨンを入れました。 告別式も滞りなく終了し、その小さな身体は荼毘にふされました。 そして骨壺に、その変わり果てた小さな遺骨を納めようとした時、 その遺骨には、ある出来事が起きていました。 少年の遺骨が虹色になっていたのです。 おそらくは、柩に入れたクレヨン。 それが遺骨に色を着けてしまったのでしょう。 ご両親様は、驚きの中にも 少年は虹になったのだと信じました。 偶然のイタズラ… そう言ってしまえば、そこまでですが… これは、両親の想いが呼び起こした 《小さな奇跡》 だったのではないでしょうか。
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