227人が本棚に入れています
本棚に追加
その男の子は、幼稚園の年中さんぐらいの男の子でした。
その男の子はクレヨンで絵を描くのが好きで、暇さえあれば、いつもお絵かきをしていました。
少年の絵には、いつも虹が描かれていました。
その少年は、ある日、病魔に倒れ、その短くも儚い人生は幕を閉じてしまいました。
お父さんと、お母さんは少年の眠る柩に、少年の好きなクレヨンを入れました。
告別式も滞りなく終了し、その小さな身体は荼毘にふされました。
そして骨壺に、その変わり果てた小さな遺骨を納めようとした時、
その遺骨には、ある出来事が起きていました。
少年の遺骨が虹色になっていたのです。
おそらくは、柩に入れたクレヨン。
それが遺骨に色を着けてしまったのでしょう。
ご両親様は、驚きの中にも
少年は虹になったのだと信じました。
偶然のイタズラ…
そう言ってしまえば、そこまでですが…
これは、両親の想いが呼び起こした
《小さな奇跡》
だったのではないでしょうか。
最初のコメントを投稿しよう!