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愛海は挙動不審に辺りを見渡す。
光は近くにある机の上に座って、足をぶらぶらさせている。
愛海が光に話かけようと口を開きかけた時、
クラスの女の子が、2人の様子を遠巻きに見ながら、
遠慮がちに話かけて来た。
「ねえ、光っ他のクラスの子が来てるよ~。」
「え…?」
見ると、教室の入り口で4人組の女の子が光を見つめていた。
教室には入ろうとせず、少し俯き気味になった顔には、明らかに恥ずかしさと嬉しさの入り混じった様子が手に取るように分かる。
「なーにー?」
そんな彼女達に対し、光は呑気にその場で声を出す。
「ば、ばかっ」
彼女達はみるみる内に耳まで真っ赤になり、
困った顔になってしまった。
「…何だろーなあ。なっ愛海?」
(乙女心の分からん奴め…)
私は呆れながらも、光を教室の入り口の方へ体を押した。
光は私に押されながら、仕方なさそうに女の子達の前まで来く。
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