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…午前10時
お店が開店し始め、人々が活発に動きだす時間帯だ。
アオイは、この時間はあまり好きではなく、だいたい家にこもりっきりである。
今日も、いつもと同じように、家でごろごろしてるはずだった。
…ピーンポーン♪
急に、鳴り渡った来客を知らせるインターフォン。
ちょうど、今、母が出かけているためアオイが出なければならない。
多分、宅配だろうと思ったアオイは確認もせず、印鑑を引っ張りだして、玄関に向かった。
履きやすいスリッパに足を突っ込むと、玄関のドアを開けた。
「こんちは♪」
………え。
“なんで…、
……こいつが?”
見覚えもなにも、つい昨日会ったばかりの“こいつ”
自宅なんて一度も教えてないのに、“こいつ”はまるで、当たり前とでもいうかのような顔で目の前に立っていた。
「こいつなんて、ひどいな、遊びに来てあげたのに。」
“………ッ。
なんで、俺ん家を知ってるんだよ、カイ。”
昨日と変わらない無邪気な笑顔。
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