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「よっしゃ、僕の勝ち!!」
カイの嬉しそうな叫び声が家中に響いた。
幸い、今はアオイたち以外誰もいない。
こんなに叫んでも、誰も迷惑がかからないとカイは思っているつもりなのだろう。
カイが勝ったと、はしゃいでるのは、当たり前にゲームのこと。
さすがに、毎日来て、3、4時間近くゲームをしていれば、誰でも自然と身につくだろう。
最近では、カイとアオイは五分五分くらいで、なんとかぎりぎりアオイが勝てるくらいまで腕を上げた。
“負けた…”
で、今回、初めてカイにアオイは負けたのだ。
内心、少々、屈辱感があるアオイ。
それとは打って変わって有頂天のカイ。
そのはしゃぎようといったら、屈辱感を味わっている自分がバカバカしく感じてしまうほどだ。
「あ、そうだ、アオイ。」
“ん?”
はしゃぐのをやめて、カイは、思い出したようにアオイに話かけた。
「外行かない?」
“…いいけど。
買い物?”
「いや、散歩ー。」
…は?
カイは、相変わらず、考えていることが、わからないときがよくある。
普通、散歩なんかで、外出誘うかよ。
カイを見れば、カイはニコニコ笑っている。
…本当、わからねぇ。
そう思いながらも、アオイはカイの誘いに頷いた。
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