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久しぶりの昼間の外は、アオイにとって、暖かかった。
心にも、体にもその暖かさが染みていく。
まるで、母のようなものに包みこまれているような心地よい感覚。
アオイは、外の空気を深く吸う。
何故だか、とてもいいことがありそうな気がした。
「ねぇ、アオイ。
皆の夢を見に行かない?」
“…夢?”
「そう、人間たちの夢。」
そういうカイは、悪魔だということを忘れてしまいそうなほど、優しそうな笑顔をアオイに向けた。
正直なところ、アオイはカイが悪魔だということを冗談としてしか受け取ってなく、もうそのことを完全に忘れている。
「行こう、アオイ。」
アオイの手を取って、カイは走り出した。
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