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‘――――…!!!♪♪’
……………うわ…。
カイに手を引かれて、アオイが着いたのは、夢を追う若者が、集まるストリート。
夢って…こういうことか。
バンドを組んで歌を披露しているやつらもいれば、ダンスをして通りゆく人を楽しませているやつらもいる。
ジャンルは様々だが、確かにこれは全部彼らの夢だ。
歌…下手だな…
それなのに、なんだか、それを見ていると自然と勇気がもらえる気がする。
「…アオイ?」
急に、聞き覚えのある声がした。
ゆっくりと振り返れば、そこには、昔のバンド仲間がいた。
“…カズマ。”
カイと話すくせで、アオイは出ない声でバンド仲間の名前を呼んでしまった。
カズマは、それを見て、残念そうに眉を下げる。
…あぁ、この感覚、久しぶりだ。
アオイの声が戻っていないを知った人は、皆哀れむような目で、アオイを見てきた。
アオイはそれが、とても嫌でしかない。
カイと会ってからは、カイとしか接していないに近かったので、あまり、こうきな目で見られることはなかった。
久しぶりに感じた、胸苦しい感覚。
アオイは、早く帰りたくなった。
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