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“ありがとう。”
「いえいえ。」
素直に、礼を言えば、カイは、通じているから、答えてくれた。
一方、カズマはその様子に、理解できていない顔をしている。
“…説明、よろしく。”
そういったアオイに、カイが笑顔で頷いた。
カイは、カズマのほうを向き、
「ボクは、アオイの言葉を聞くことができるんだ。
だから、さっきのは、アオイが、カズマに聞いた言葉。
いわゆる通訳をしたんだ。」
と、カズマに説明をした。
それを聞くと、カズマは目を丸くして驚く。
まるで、信じられないと言うような顔でカズマは、アオイを見た。
アオイは、本当だという意味を込めて頷いた。
「…すごいな。」
そういうと、カズマは、いきなり悲しそうな顔をした。
「…週三…でここで…やってんだ…バンド。
あのメンバーで…。
アオイが抜けてから、人気が落ちてさ。
アオイの力は本当すごいよ。
なぁ、アオイ。
歌えとは言わないから、また一緒にやらないか?」
ふと出た、カズマの言葉、アオイは、一瞬で不快感に襲われた。
「ギター…弾けたよな?」
確かに、アオイはギターを弾ける。
でも、アオイは、ギターを弾くつもりはない。
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