Blue

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  ………………? 澄んだ声が、アオイを呼んだ。 振り返れば、そこには、スラリとした青年が一人。 ………真っ白な…人。 年は、27くらいだろうか、これでもかというほど、全身真っ白な服装が印象的だ。 「花森 葵様でよろしいですね?」 “…ッ…はい” 青年の澄んだ声に、アオイは、はっと我に帰って頷いた。 「私<ワタクシ>、アビーと申します。」 …外人? 外見には似つかない、日本では聞き慣れない名前。 日系アメリカ人? 「あなたを迎えに参りました。」 …え? 「天界議会の決定により、第10代、歌うたいにあなたが選ばれました。」 淡々と話す、アビーと言う青年。 天界議会…? …歌うたい? まさか… ふっと、カイに会った当初に言われたことが、アオイの頭を横切った。 …天使? 「はい。天使です。」 アオイの心を読んだように、答えたアビー。 そんなことができるのは、悪魔の名乗ったカイくらいだった。 つまり、悪魔ができるということは、天使ができても不思議ではない。 …マジかよ。  
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