Blue

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  「行こう、アオイ。そっちに行けば、寿命が縮むじゃうよ? それに、次の歌うたいが決まるまで、何百年と言う月日を毎日天界で歌わないといけない。 そんなこと、したくないだろ?」 手を差し出すカイは、いつも優しい微笑みでアオイに言う。 まるで、呪文のよう。 躊躇うこともなく、アオイはカイの手をとった。 「まさか、お前、死亡日時を変えたのか?!」 アビーが、慌て止めようとする。 「そんなに怒るなよ。 むしろ、感謝してほしいくらいだ。 寿命を伸ばしてあげたんだ、あんたらとは違う。」 「貴様!天界に逆らったな!?」 一気に、アビーの気性が荒くなる。 「ボクは、天使じゃない。 だから、天界に逆らうも何も、無関係だ。」 そう、スカしたように言ったカイに、アビーは唇を噛み締める。 それは、カイの言ってことが間違ってはいないという意味だ。 「へぇ、また珍しい…。」  
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