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…まぐれだろ…
たまたまだよ、たまたま。
そう言ったカイが一瞬本当の悪魔のように感じた。
だけど、それを信じたくなくて、言い訳をする。
「んー、難しいね、信じてもらえるの。
まぐれなんかじゃないんだけどな。」
まただ…
「……………♪♪」
………えっ?
「……聞こえないくらいの小さな歌を君に贈ろう
君にしか聞こえない歌を届けよう
ボクの声、聞こえてますか?
さっき歌ってた歌。
信じてくれる?」
首を傾けて、人懐っこそうに笑う。
歌詞までじゃなく、メロディーまでも完璧に歌った。
信じたくないけど…
……コク
ゆっくりと頷いた。
…信じてしまう。
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