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“…なんで”

「5年後の9月21日、ｱｵｲは、死ぬ。

死神様が言ってた。

原因は、死神様しか知らない。

でも、必ず、死ぬ。」

…マジかよ…

突然、突き付けられた死の予告。

“…つか、天使が迎えに来るんだっけ？

天使が、そんなことしていいのかよ。”

「誰が天使は人を殺さないだなんて決めた？

天使だって平気で人を危めるさ。

人のバカな妄想で僕らを枠に当て嵌めているだけじゃないか。

だって、そうだろ？

ｱｵｲだって、僕と会う前に一度だって天使や悪魔を見たことがあるかい？」

“…ない”

「だろ？

それなのに、バカな人間どもは見たこともないものに、妄想を当て嵌める。

理不尽過ぎると思わないか？」

……たしかに。

“…じゃあ、悪魔は人を殺さないって言うのかよ？”

「いや。

何もそこまでは言っていない。

でも、悪魔は直接、人に手を加えて殺しはしない…。

そう考えれば、悪魔は人を殺していることにはならないか…。」

…何を…

“…じゃあ、カイはなんで俺のところに来たんだ？”

「興味あったから、ちょっと来てみたんだ。

思ってた以上の歌声だったからびっくりしたけど。

どうりで大天使様が気に入るわけだよ。」

くすりと笑った。