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「クッ」
「やるじゃねえかちっこいの。」
「……………潰す。」
「ストーップ!紫織お姉さまストップですわ!!」
「クロちゃんはお姉ちゃん落ち着かせて!わたしがやっとくから!!」
強盗犯の一人のちっこいの発言を聞いた紫織は、そいつ目掛けて飛び掛かろうとするも、黒子にあえなくおさえられる。
「なんだ?
あんたが相手すんのか?」
「安心してね。
見た目通りってわけではないからね。」
「へぇ、そうかい。
だが俺だってなぁ」
ゴォッ
男の手から炎が燃え上がる。
「………発火能力者(パイロキネシスト)…。」
「クスクスッ。」
が、対峙している霞織はクスクス笑うだけだった。
「な、なにが可笑しいんだ!?」
「……笑わない方が、おかしい。」
「だって戦う前から手の内見せてるんだもん。
普通はそういうの、ぎりぎりまで隠しておくものだよ?」
「なっ!?
お前わかってんのかコレ!!
強能力(レベル3)だぞ!
もうちょっとビビッたり警戒したりしろよ!!」
「ぅーん……そう言われても………。」
「……それだけの力、怠惰な人間には制御できない。」
「大方、能力開発の途上で壁にぶちあたって
これが限界だと自分で勝手に決め付けて、諦めて拗ねてグレたクチかしら?」
「ゔっ……」
黒子の発言に、男の顔が真っ赤に染まる。
「あ、図星?
諦めたらそこで試合終了
だよ。」
霞織はとっても良い笑顔で言い放った。
「テメぇッ!」
炎を手に纏わせ、霞織に殴り掛かる。
が、
「遅いよ~。」
霞織は男の真上に飛び上がっていた。
「なぁっ!?」
「ごめんね。」
そう呟く霞織の手には蒼い焔で模られた弓が構えられていた。
「蒼焔弓『蜜蜂』!」
焔の弓から放たれた弓矢は、細かく小さく、しかし大量に男に向かって飛来する。
「うわぁぁぁぁぁ!」
男は回避することもできずに10分の6命中した。
「だ、大丈夫ですの?あれ。」
「大丈夫だよ。急所は外れてるから。」
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