第1話

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「クッ」 「やるじゃねえかちっこいの。」 「……………潰す。」 「ストーップ!紫織お姉さまストップですわ!!」 「クロちゃんはお姉ちゃん落ち着かせて!わたしがやっとくから!!」 強盗犯の一人のちっこいの発言を聞いた紫織は、そいつ目掛けて飛び掛かろうとするも、黒子にあえなくおさえられる。 「なんだ? あんたが相手すんのか?」 「安心してね。 見た目通りってわけではないからね。」 「へぇ、そうかい。 だが俺だってなぁ」 ゴォッ 男の手から炎が燃え上がる。 「………発火能力者(パイロキネシスト)…。」 「クスクスッ。」 が、対峙している霞織はクスクス笑うだけだった。 「な、なにが可笑しいんだ!?」 「……笑わない方が、おかしい。」 「だって戦う前から手の内見せてるんだもん。 普通はそういうの、ぎりぎりまで隠しておくものだよ?」 「なっ!? お前わかってんのかコレ!! 強能力(レベル3)だぞ! もうちょっとビビッたり警戒したりしろよ!!」 「ぅーん……そう言われても………。」 「……それだけの力、怠惰な人間には制御できない。」 「大方、能力開発の途上で壁にぶちあたって これが限界だと自分で勝手に決め付けて、諦めて拗ねてグレたクチかしら?」 「ゔっ……」 黒子の発言に、男の顔が真っ赤に染まる。 「あ、図星? 諦めたらそこで試合終了 だよ。」 霞織はとっても良い笑顔で言い放った。 「テメぇッ!」 炎を手に纏わせ、霞織に殴り掛かる。 が、 「遅いよ~。」 霞織は男の真上に飛び上がっていた。 「なぁっ!?」 「ごめんね。」 そう呟く霞織の手には蒼い焔で模られた弓が構えられていた。 「蒼焔弓『蜜蜂』!」 焔の弓から放たれた弓矢は、細かく小さく、しかし大量に男に向かって飛来する。 「うわぁぁぁぁぁ!」 男は回避することもできずに10分の6命中した。 「だ、大丈夫ですの?あれ。」 「大丈夫だよ。急所は外れてるから。」
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