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銀行強盗事件は、負傷者はもなく、犯人は四人共逮捕された。
「あ、そうそう。
あなたはわたくし達を化物呼ばわりしましたけど」
黒子、霞織、紫織の三人は、連行されている一人の男の側まで近づいた。
「……私も黒子達も、最初からこうだった訳じゃない。」
「でも、自棄になって周りに当たり散らすような人達には、一生わかんないかもだけど。」
「グッ……」
霞織の言葉を聞いた男は、悔しそうに表情を歪めた。
「……でも、
もしまだ悔しいと思える心が残ってるなら」
「いつか、わたくし達を見返してごらんなさいな。」
そう言って三人は静かに男から離れていった。
「ぅー……」
「これ落ちないかも……。」
黒子達から少し離れた場所では、美琴の制服に付いたクリームのしみを落とそうとしている初春がいた。
「おっねえさまーーーーんっ!」
どーーん
「おわっ!?」
と、黒子が突然美琴の背中に飛び付いた。
「こらっ黒子っ!
抱き着くなっ!!」
「だめですのー。
一般人なのに手を出した罰ですのー。」
「はぁ…
まったく。10億ボルトの電流を自在に操るレベル5のどこがただの一般人なのよ。」
と、嘆息しながら呟く。
「やっぱりとんでもないとこだわ。
学園都市って。」
「そーだね。」
「……だけど、退屈しない。」
第1話 end
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