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「二人とも、末永くお幸せに」
逢が呟いた。
寥とハエ少年に向かって。
それは彼女なりの『ずっと仲良くしてね』という意味だった。
「え、ちょ、神道さん!その言い方…」
寥は自分とハエ少年がまるで結婚したかのような逢の言い回しに『げ』という顔をした。
彼にとって男通しで結婚するという概念がないので少し気分が悪くなったのだろう。
「おう!ありがとう神道さん!じゃあ寥くん、仲良くしましょーね?」
ハエ少年はそのネタに乗り、女の子のような振舞いで寥の腕に抱きついた。
しかも語尾に音符かハートでもついているかのように嬉しそうに。
彼がやるから許されるものの、他の男子がやったら気持ち悪いだろう。
「じゃ、一緒に帰りましょ!」
「え、あ…っ」
寥はハエ少年に引き摺られるように下校していった。
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