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彼の髪は少しだけ明るい栗色で、その短髪は外側に均等に跳ねている。
整った顔立ちをしていて無邪気な笑顔がよく似合う。
「ごめんごめん、寥くんがあんまり慌ててたもんだからさぁ」
「俺が行ったの第二倉庫…?!ちょ、勘弁してよハエ!」
二人はいつの間にか仲良くなったようで渾名(あだな)で呼び合っていた。
ちなみに寥がハエと呼んだ時のイントネーションは虫の蝿とは異なる。
“ハ”にアクセントがあったからだ。
「ごめんって」
ハエと呼ばれ男子は今までとは違うあまりに落ち着いた声で囁いた。
教室が静かだったから囁く程度でも寥には伝わった。
「え…」
「あ、そうだ!場所とか分かんないと不便だから学校案内するよ!転校生だもんな!」
寥は違和感を抱いたが、すぐに元に戻った彼をの姿を見て、気のせいだと思い込んだ。
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