七年後

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ブーッ ブーッ ブーッ 二人が教室を出た時、逢の携帯電話が振動した。 それはEメールで、送り主は“破壊陽介”と表示されていた。 破壊 陽介(はえ ようすけ)とは、寥を連れていったあのクラスのお調子者だ。 彼は逢の一番理解のある友人であり、アドレスも交換している仲。 とても仲良しだ。 「…」 逢はメールの内容を読んで折り畳み式の携帯電話を閉じた。 (やっぱり…) 彼女はそれを確信した。 逢はまさか自分の前に寥が現れるとは思っていなかったが、それはそれで楽しい呼び出しが来そうだと舞い上がった。 彼女の趣味は変わっていた。 何でもかんでも一番になり、人に妬まれ呼び出され、その状況を楽しむことだったのだ。 彼女は色んな計画を頭の中で立てて楽しそうに教室を後にした。
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