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二人の『鬼』を出し抜いた男は、それに気付いていないようだ
『またな~♪』
とでも言いたげな男の背中を銃口は確実に捕らえている
しかし、その銃が放たれる事はなかった
『鬼』が殺意を露わにした瞬間
根がビクリと震え始めた
最初はゆっくりと…しかしその動きは確実に『鬼』を絡めとるように胎動していく
枯れ森、それが=暴れ森=に変貌する要素、それは人間の『悪意』のような負の力だ
「ヒィッ」
「うわぁーっ」
二人の悲鳴が森にコダマする、しかしそれはすぐにかき消された
その胎動する根はまだ『悪意』を喰い足りないのか『鬼』を出し抜いたはずの男にも迫ってきていた
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