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「俺ずっとこのままで居たい。」
「ルー、そういう訳にはいかないよ。」
そう言ってリリはサイドボードのアラームを止めようと腕を伸ばした。
「…あと5分だけ。」
ルーンはリリが時計を止めたその手に自分の手を被せそのまま彼女の手を元の場所に連れ戻した。
「駄目よ。遅刻しちゃうじゃない。ここから結構時間が掛かるんだから。」
「俺が車で送ってやるよ。問題ない。」
ルーンは言葉をさえぎる様に胸の中にリリを包んだ。
「…もう。絶対だからね。本当にあと5分だけね。」
その声をルーンは目を閉じて聞いていた。
本当にこのままで居られたらどんなに幸せだろうか。
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