vol.1

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「ルー、5分たったわ。私準備しなくちゃ。あぁ、髪の毛もボサボサ。」 仕方なく彼は腕を開いた。 俺はこの瞬間が嫌いだ。 ルーンがそう言うとリリは私も。と答えた。 そのままリリはバスルームに飛び込み、たちまちシャワーを流す音が聞こえ始める。 今晩もリリの仕事が終わり、俺が連絡をすればまたこの場所へ戻って来てくれるだろう。 そして料理を作り、食後にワインでも飲みながら笑い合い、そしてこのベッドへ滑り込む。 きっとそうなる。 ルーンはたかが十数時間後の予定をクリスマスを待ち望み、カウントダウンしている子供の様に待ちわびている。 こんな気分にさせるレディは君が初めてだよリリ。 そうぽつりと呟き、まだリリの温もりが残るシーツを抱き締めた。
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