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彼が職場に着くと、同僚のレジーが近寄って来た。
「よう。今晩のパーティーお前も来いよ。」
「今晩は無理だ。約束がある。」
「なんだよ。良い女が沢山来るクラブだぜ?こないだなんて、そりゃあもう!誰に声かけようか迷うくらい良い女だらけでよぅ!」
ルーンは興奮する彼をなだめる様に丁寧な調子で言った。
「俺は最高に良い女をもう見付けた。だからお前と一緒にガールハントする必要が無くなったんだよ。」
「ちぇっ。まだ例のジャパニーズガールと続いてるのかよ。」
つまらなそうにぶつぶつ言いながら、レジーは自分の持ち場へ戻った。
かつてはルーンも彼と一緒に馬鹿をやったものだ。
一夜限りの関係(ワンナイトスタンド)も度々あった。
しかしルーンはリリに出逢ってその生活をきっぱりとやめた。
つるんでいた仲間は皆驚いていたが、彼にとっては自然な事だった。
クラブで酒を飲んで踊る事よりも、愛する人と他愛なく過ごす事の方がよっぽど楽しいのだ。
その事を気付かせたのはリリ、彼女だけだった。
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