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1.一人目
私は会社帰りの途中、不思議な図書館を見つけた。
こんな人通りの少ない所に建てられているから、何か理由があるのかなと思った。
とりあえず、図書館に入ってみた。
すると──
「おや、珍しいですね。この図書館に訪れる人は、あなたのような悩みを抱えた方ばかりですから」
「悩み…」
「あなたは、友達を助けたかった(・・・・・・・・・)んですね」
「──はい。助けたかったですよ」
「なら、友達を助けるために翻弄した男の物語にご案内いたしましょう」
そう言って、黒髪の20歳くらいの青年は青い本を差し出した。
「あ、僕は秋兎と申します。そちらの席で、読んでみてください」
「はい」
私は秋兎に渡された本を持って、席に座り開いた。
「では、斎藤謙吾の物語へご案内致します」
秋兎は、そう言って笑っていた。
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