1.一人目

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「唯、俺たちの物語は他人にしか見られない」 「はぁ?」 「俺たちには分からないんだよ」 「マジかよ…」 「とりあえず、普通に生活しろ」 「分かった、そうする」 修吾は教室から出て行った。 「紅葉案内屋…か」 謙吾はそう呟くと教室を出る。   *** 学校から帰宅する途中、修吾の言っていたことを反芻する。 つまり、俺たちの物語を読む人がいるらしい。 本か何かに綴られているみたいで、俺たちはあくまでも本のキャラのようだ。
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