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「さて、これが最後の質問だ」 「まだ……これ以上何かあるのかよ!」  そんな深刻な事態を淡々と話せるサーシャに対して、太一が感じた苛立ちはどうしようもない。ごちゃ混ぜになった感情は声を荒立たせ、自然と拳を握らせる。  そんな太一を見て、サーシャは不敵に笑った。その怒りを、待ち望んでいたというように。 「この事態を打破する可能性が君にあるとしたら、どうする? 宮沢太一君」  唇の端を歪めて、サーシャは太一をまっすぐに見据える。質問の形をとってはいたが、その瞳は千の言葉よりも強大な力となって太一の心に問いかけている。  ――想い描いた彼女を、守ってやれ 「君の力を、貸してはくれないか?」    答えなど、決まっていた。返答など分かりきっているサーシャの笑みに、太一は不敵に微笑み返す。 「親友ポジションから、格上げだな」
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