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「……朝学校に着いたら下駄箱に竹之里がいて、目が合ったと思ったら突然『放課後に体育館裏に来て欲しい』って言われて。そんで放課後になって、体育館裏に行ったら竹之里がいて、告白されたと思ったらいつの間にか……ふ、フラ、れ、てた」 「思い返して泣くな。うっとおしい」 「……何の罰ゲームだよコレ……」  感傷に浸ることすら許されず、サーシャの「ウゼェなコイツ」という視線に失恋とは違う痛みで涙が出そうになる。  前世で何をしでかせばここまでの業を背負うことになるのか見当もつかない。ただ本当に前世があるのだとすれば、自分の前世は歴史に名を残す大悪党だった、ということは分かる。そうでなければ、あまりにも現世の自分が救われない。  一人でどんどん落ち込んでいく太一を横目に「やれやれ」とため息を吐いたサーシャは諭すように太一に告げた。 「彼女はウイルスに侵されていた。一連の出来事はそのせいだ」 「――は?」
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