春風

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家に帰り携帯を眺め携帯と 見つめ合っていた。   先輩の笑顔を忘れられずに ただただメールがくるのを 待っていた…   携帯の画面が光り   "受信中"   との文字が写された…   "受信しました"   急いで受信Boxを開き メールをチェックする…   「今日いきなり声かけてごめんね!誰かわかるかな?」   「3年生の人ですよね!?」   「そぅだよ!名前はリュウジ!よろしくね☆」   それから一週間 私はリュウジ先輩とメールをした。   学校で会うたびに手を 振ってくれる先輩に どんどん惹かれていった…   "先輩が好き…"   私の学校では上下関係が厳しく 先輩とメールしているだけで 女子の先輩から 目をつけられていた。   「美花!」   振り向くとリュウジ先輩がいた。   「今日俺一人だから一緒に帰ろ!」   「で…でも」   「行くぞ!」   リュウジ先輩は私の小さな手を 大きな手でぎゅッと握り 引っ張って行った…   「何あの子…」   後ろから聞こえるのは 女子の先輩達の声…   そんなの気にせずリュウジ先輩は 私の手を離さず正門を通った…   ザッと吹いた生温い春の風が 私の心を熱くした…   桜の花びらが私達二人を包んだ…  
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