春風

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「美花ぁまだ上靴見つからないのー?」 朝から必ず彩花は声をかけてくる… 「とられてっからねー…」 「ってか美花今日暇っ!?」 「全然暇だよぉ」 「なら今日街行こうよ!」 急に彩花はわぁーいと喜んでいた。 ぼーっと授業中外を眺め 体育の授業を見つめていた… 「はぁ…」 溜め息をつき眺める先には リュウジがいた…楽しそうに サッカーをしていた… リュウジがゴールを決めると同じチームの 人達がリュウジに集まっていた。 女子もきゃーと歓声をあげていた… 「あたしなんか…」 彼女にならなきゃよかった… とふと思ったけど口に出さなかった。 「…花ぁ!1年1組矢島美花ぁ!!」 外をもう一度見るとリュウジが こっちを見て手を振っていた。 外では周りの先輩が冷やかしながら こっちを見ていた。女の先輩は 睨み付けるようにこっちを見ていた。 私はにこっと笑い手を振った。 もちろんのこと教室にいた先生は 窓を開け外を眺めて大声を出した。 「川崎ぃ!!授業の邪魔をするなぁ!」 「すんまっせ~ん(笑)」 と運動場で一礼していた。 思わず笑みがこぼれた… "ばぁか" 心の中でそう思い笑った… チャイムが鳴り帰りの会が終わり 彩花と初めて二人で街に行った。
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