始まりは大雨の夜

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  『この方は政府のとある組織に所属している大変お偉い方です』 理事長がそう紹介すると、端正な顔立ちの男がマイクの前に立った。 『今回私がここへ来たのは、我々の組織に入っていただく人材を連れて行くためだ』 その言葉に、また生徒はざわめいた。 そのまま男は言葉を続ける。 『その人物は・・・一年生の光・・・女子生徒の光だ』 そう言いながら光を見る男を見つめ返しながら、光は自分が名指しで呼ばれたことを察した。 「・・・光って・・・光だよね・・・??」 「・・・そうみたい」 そう呟いて、光は座っていたパイプ椅子から腰を上げて立ち上がる。 「光っ!!?」 「ちょっと行ってくる」 光は止めに入る唯をすり抜けて、男がいるステージに向かい歩いた。 「私ですか??」 「そうだ。お前が光だな?」 「はい」 男はマイクから顔を離し、光と向かい合わせになった。光は男の目線に動じず見返した。 「・・・その組織に入って…両親には会うことはできるんですか??」 「たまに・・・な」 意味深な言葉を返されたが、光は何かを感じ取り男について行くと返事をした。 これが光と組織のボスである柊木(ひいらぎ)の出会いだった。  
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