狂気、凶器、狂喜。[赤柳]

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柳先輩からはいつもの冷静さは何だか感じられず、眉間に皺が寄っていた。副部長みたいになっちゃうっすよ………って、あ、もしかして怯えてんのかな。そりゃそうか。今の俺、殺人鬼にしか見えねえよな。 「……せんぱい、…」 「…………っ…」 一歩近付いてみると、恐怖で強張った先輩の体が少し後退りした。 ―――ちょっと傷付いた。むかつく。…てか俺、ぜってぇに気ぃ短くなったよな…。 「怖がんないでくださいよ……」 「……………」 一歩。 「……」 また一歩。 「…………」 さぁ……もう逃げられない。 柳先輩の背中が、後ろの樹にぶつかった。俺よりもガッシリした体が小刻みに震えている。いつのまにか開眼してるし。……ねぇ、ちょっと先輩。 「…彼氏にそういう態度取っていいと思ってんの?」 追い詰めた先輩の瞳をじっと見詰め、―――身体中の血が沸騰するくらい熱くなるのを俺は感じ、俺は先輩の首を掴んだ。 .
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